戦後大きな争いがなく平穏がつづいた田舎社会でも、、
 時代の流れで人が変わる

   
高知の中山間で起きた争いの取材から、、

 親の代には譲りあい、助け合い、冠婚葬祭には近所が総出で料理や掃除から手伝い、時には、みんなで喜び、時には、みんなで悲しんだ時代は終わって、その子の時代には裁判で争う。

 この裁判は、戦後、大きな争いのなかった平穏な田舎社会で10年余りも続いている争いの取材。
 
今回は事件番号、原告、被告、代理人の名前など、今回は省略する。

この事件の内容を要約すれば、、18年も前に改良された農道の両側の地権者が境界を主張して農道の岸側の畑の地主は道側に境を表す石を並べ、農道の畦側の地主は、ここは昔から自分の土地だとして小さな水槽を作った。

それによってわずかな長さではあるが農道の道幅が少しだけ狭くなった。
このようなことをしたのには同地区で起きている関連の争いがあるからだともいう。

 この争いの話題を聞いたときには裁判を起こすほどの大げさなようには思えない小さな争いと見ていたが、原告の人間性を聞いてこの争いの聞き込みを続けているうちに、疑問が続きこのような裁判があることは公衆に伝えるべき内容と判断して取材をつづけている。

判決言い渡しの法廷

 平成26年12月中旬、高知市内の中山間で人家が20数戸の地域内で起きている2件の裁判沙汰になっている内の1件の判決言い渡しの法廷を取材した。

判決内容の要点を記載 

通行妨害排除等請求事件
 
判 決(要点のみ掲載)

 被告は工作物を撤去せよ、
 被告(M)は55,000円を支払え。
  平成24年4月20日から支払日まで年5%の利息をつけて支払え。

被告(T)は55,000円を支払え。
 平成24年4月12日から支払日まで年5%の利息をつけて支払え。
  以下省略。

被告の代理人には疑問、、、、

 まず、被告から相談を受けたときの判断である。
 被告が仮に負けてどの程度になるのか?
まずは結果判断の上で対応をすべきではなかったのか、その疑問が続くのである。

 原告の主張が「通行妨害排除等請求事件」であるので法廷代理人まで立てて対応するほどの内容かどうかである。

 なるだけ費用がかからないアドバイスをしてやって相談料だけで受任しない、 工業所有権法をやってきた当方(本件記者)ならそうする。
 本件の訴訟の内容であれば原告のやり方を知っているならば、本件の被告は負けた方が得。負けても社会の世論では勝つ。

 原告が起こしたこの訴訟には背景があると言うが、しかし、それとは切り離して対応すべきである。
裁判には一般社会の常識や人々の良識からみても矛盾する判決が多い、しかし、裁判には負けても世論には勝つ、

例えばそんなことまでしておいて訴訟まで起こした奴だと、歴史の長い村社会での情けも人情もない原告の人間性を批判して裁判に勝った方への社会の風当たりが強い場合もある。
 裁判に勝ったがためにその原告は敬遠されて世間が狭くなることもある。そのような結果も田舎社会ではある。
 
気になる被告側の弁護料

最も気になるのは、原告の訴訟の内容をみて、被告側が支払ってと言われる弁護料の大きさである。
 この裁判の判決までには2人の被告は40数万円を支払っているとも聞いており、この判決では2人の被告には各々55000円づつと支払日までの利息を年5%払えになっている。

被告側の代理人は判決の法廷には出てこない

 競争の激しい大都市ではこんな弁護料支払って判決の言い渡しの法廷に出てこないような弁護士には、金戻せと言われます、、、
そう言う話を聞いたこともあるし、高知での取材では、ある横領事件の内部調査を受けていた弁護士に、当方が取材でそのような質問をしたこともある。
取材で質問していたその弁護士はその後廃業したと本人から聞いた。

 原告、被告の両代理人の出廷なしで行われた判決

原告、被告の代理人の出廷なしで行われた法廷の判決には、、、 傍聴席には被告側の住民2人と取材1人。
 開廷の宣言に続き、裁判長が判決文を読み続けるのが非常に聞き取りにくい棒読みに感じた。

その判決の内容は、上記に記載の通り、、

閉廷後、1階の一室で傍聴にきていた2人の住民と懇談しているその場に被告の代理人が表れたので、名刺を交わし、次のように話しかけてみた、

 この争いはこんな内容で裁判を起こすほどのことではないと思うが、、と話しかけると、それに答えた被告の代理人は、「他の関連があるから、、」そう言って、急ぎのような様子ですぐその室から出て行った。

この裁判の2人の被告について、

被告(M)さんについて、、

住民の話によれば、裁判沙汰なった道は赤線の道ではあるが、平成8年頃に農道として改良れたというので地主の(M)さんは18年余りも現在の道幅を農道として関係農地や山林道として認めてきたことになるので、土地が自分の土地だからといって少しでも通行妨害になる行為は慎むべき、それは社会の常識、、、

被告(T)さんにつて、、

この判決には疑問、農道の岸側の畑の地主は道側に境を表す石を並べているだけ、、、それだけで、なんの通行妨害の行為となるのか?
代理人がその主張をしていたでしょうか?、、、(T)さんはこの裁判の被害者に思える。

以上、このような訴訟を取材して思うことは、弁護士を選ぶ前に、、高知には法律については無料相談ができる「法テラス高知」があるのでよく聞いてくることです。

本件の争いで、だれが得したか?

この訴訟の原告は勝訴にはなったが、たいした利益には、、、、
被告は、争って弁護士への費用は、二人で40数万円と判決により2人で11万円と支払日までの利息、、、、

 日本のどこかにあらそいの法則あらそわない法則がある。さがしてみなさい。

平成27年1月8日
杉本 武繁